制度融資を受ける

制度融資とは、自治体が支援する融資の方法です。本来であればリスクのある起業家への融資を信用保証協会の保証により、金融機関にとって融資しやすくするというものです。制度融資を利用する最大のメリットは、日本政策金融公庫の創業融資制度よりも金利が安いことです。

ただし、デメリットもあります。それは、自治体・金融機関・信用保証協会の3つの機関が関わるため審査に時間がかかり、融資実行までに相当の時間を要することです。また、制度ごとに融資額の上限が設けられている点もデメリットとして挙げられます。融資枠を超えるとこの制度を利用した借入はできません。

信用金庫から融資を受ける

信用金庫は営業範囲が一定のエリアに限定されており、地域密着型の金融機関です。そのため、取引の主な対象者はその地域の中小企業や個人事業主、個人の方とし、融資を受けられるのは原則的に会員限定です。

信用金庫なら小口の融資でも親身になって対応してくれますし、銀行と比べると融資が受けやすいといえるでしょう。初めに信用金庫とお付き合いしながら、地方銀行や都市銀行など取引の範囲を広げるかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。

銀行から融資を受ける

銀行の主な取引先は大・中規模企業で、融資を受ける要件も会員限定ではありません。会員などの縛りがない分取引の範囲は幅広いですが、ある程度の大口融資に対応している傾向が強いといえます。創業したばかりの起業家にとって銀行から融資を受けるのは、少しハードルが高いかもしれません。

日本政策金融公庫から融資を受ける

起業する場合には、日本政策金融公庫の国民生活事業から融資を受けることも可能です。日本政策金融公庫は、100％国の出資によって運営されている金融公庫です。起業前でも融資が受けられるというメリットがあり、審査の時間も制度融資に比べてかかりません。ただし、制度融資より金利負担が大きい傾向にあります。

出資者が経営介入する場合がある点

投資家からの出資を受けるということは、投資家が株式を所有するということです。その際、投資家から経営に介入することがあります。また、経営者は株式を所有する投資家の意見に沿って経営しなければならない局面も出てきます。

融資を受けたら返済しなければならない点

資金調達をする際に融資を受ける場合、自己資金や出資と異なるのは返済する必要があるということです。また利息も負担しなければなりませんので、返金額が増加するリスクが生じます。したがって、融資を受けられたと喜んでばかりもいられません。

資金調達ができるまで時間がかかる場合がある点

資金調達をする際、自治体の融資を受けたり助成金に応募したりしますが、採択されて融資を受けられるまでに時間がかかる場合があります。また融資を受けるための書類作成などに時間を取られ、本業が滞ることもあります。

そのような時間のロスを見越して融資を受けるためのスケジュールを立てる必要がありますし、受けられるまでは自己資金で賄うことも考える必要があります。