税理士をしていますので、税金関係でおかしなことはしません。
インボイスとか軽減税率とか死ねばいいのにとは思いますが、仕事は仕事。
ちゃんと法令順守です。
こんな私ですが10年ほど前税法違反を犯しております。
酒税法違反です。
当時はベーコンやハム、味噌の自作に目覚め、作れるものはなんでも作りたいとなり始めた頃でした。
そんな折、ブレイキングバッドというドラマの中で主人公の義理の兄だかが、
自分でビールを作っているシーンがありました。
『え。ビールって作れるの??』と衝撃を受けたのを今でも覚えております。
さてさて、ビールを作るとなるとまぁ色々必要なのですが、地味に困るのが保存容器です。
コーラ等の炭酸飲料のペットボトルでも良いのですが、なんか味がない。
そして保存状態も良くなさそう。そう思うとやっぱり大量のビール瓶が必要になります。
そこで近所の松川酒店にビール瓶をもらいに行きました。
もらった後で知ったんですが、ビール瓶ってお金になるんですね。
そんなことも知らず松川酒店のおばちゃんに『ビール瓶めっちゃくれ』とお願いしに行きました。
当然『何に使うの?』と聞かれましたので『ビール作るねん』と答えました。
『変わったことするわねぇ。そんなの出来るの?』と言いつつ大量にビール瓶をくれました。
ビールは結構おいしく出来たものの、そもそも作るのが大変過ぎて作ったのはそれっきりでした。
お酒は買った方がいい。それが僕の結論です。
この松川酒店のおばちゃんはすごい良い人でして、私に子供が出来たらすごい喜んでくれ、
結構なお祝いいただいたり、僕も僕で何か返したり。僕にとって一番仲の良いご近所さんが彼女でした。お気に入りの焼酎が切れたらここに買いに行き、彼女と世間話をする。それが私の日常でした。
そしてこの酒店はその場で飲める酒屋さんで、いつもたくさんのお客さんがいました。酒屋価格で飲めるってリーズナブルだし、それにおばちゃんいい人だしね。おばちゃんがいい人すぎるので、常連のお客さんがおばちゃんの代わりに他のお客さんの会計してあげたりしてました。当初は常連のお客さんをバイトか何かかと思っていたのですが、普通にただのお客さんだと知ったときは衝撃でした。
確かワクチン3回目で世間が盛り上がってる頃でしたでしょうか。松川酒店のおばちゃんは
脳の何かで救急車で運ばれてそのまま入院しました。病院はコロナ対策を頑張っておられたので、
家族を含め面会禁止。
おばちゃんはお客さんに好かれていたので、お見舞いに行きたい人は僕を含めて結構居たと思う。
そしてそのまま昨日3月28日にお亡くなりになりました。
3月28日は息子の誕生日なので、一生おばちゃんの命日を忘れる事はないでしょう。
家の片隅にぽいっとおかれた何の変哲もないただのビールの空き瓶が、良い思い出の一コマのように思えて来てしまって、僕があの瓶を処分する日は来ないかもしれないな。
ほかの人が見たら何の価値もない単なるガラクタなんだけど。